「部長、加齢臭がします…」 | 職場の上司の臭いを指摘した体験

「部長、加齢臭がします…」 | 職場の上司の臭いを指摘した体験

「部長、加齢臭がします…」 | 職場の上司の臭いを指摘した体験

M.Kさん(女性)、30代、事務職

「部長、臭くない?」

50歳を過ぎた部長を、初めて「臭い」と感じたのは、部長室に呼ばれて入った時でした。部長は普段から個室にこもって仕事をしているため、あまり接点が無い存在でした。部長室に入るのは、個人面談や資料への確認サインの依頼、備品購入の際の説明と捺印依頼くらいです。

部長は身なりに気を使う人で、ヘアスタイルもこまめに整えてくるし、スーツもいつもシワが見当たらないくらいキレイ。靴もピカピカに磨き上げています。爽やかな吐息のために、ミントタブレットは欠かさないし、年配女性の扱いも上手いです。職場の誰もが部長に対して好意(もちろん恋愛感情ではなく)を持っているだろうと思います。

そんな部長からのまさかの加齢臭に気が付いた時、周囲の人間はどのように対応したら良いのでしょうか。

「やっぱりアレ、加齢臭だよね?」

身なりを気にしている部長が、まさか自分から加齢臭がしているなんて思っていないでしょう。それどころか、もしそうだと知ったら、どんなにショックを受けるか想像するだけで胸が痛みます。

しかし、老いには抗えません。部長が50歳を過ぎてからは、閉めきった部長室に入ったり、会議や飲み会の後に部長の近くに立つと、ふわりと風に乗って臭いがします。その臭いはまさにノネナール、つまり「オジサン臭」です。ノネナールは、油の臭いとキュウリのような青臭い臭いといわれています。

男性は髪が短いので、首筋からの臭いが特にキツイように感じます。座っている部長の後方から手元に資料を置くとき、首筋のあたりに顔が近づくのですが、臭います。20代の若い社員(たぶん父親より部長の方が年上)も、部長の加齢臭には気が付いているようで、職場ではそんな会話がヒソヒソされています。

「部長に伝えなければ…」

若い人は臭いに特に敏感なので、何とか部長を傷つけずに指摘して、対策をとってもらわなくてはいけません。加齢臭で困るのは、やはり本人が気づきにくい所だと思います。上司に対して「気が付いてますか?」とは聞きにくいですが、部長の性格を考えると、もし自覚があればとっくに対策をしているはずなのです。

部屋にずっといると加齢臭が部屋中に広がってしまいます。部長室なら社員が入るだけですが、これが出張先の他社会議室や、取引先のお偉いさんと便乗したタクシーの中だと良くありません。身内である私たち、特に、社員の中でも部長との付き合いの長い私が指摘してあげるべきなのです。

「言いづらいのですが、少し臭いがするようです。」

冗談めいて伝えるよりも、真剣な方が良いかと思い、部長に伝えてみました。ショックを受けていたというよりは、職場の人たちに臭いで嫌な思いをさせていなかったかと、逆に気を使われてしまいました。

「つけ慣れない香水は、迷惑になるから」と、失礼ながら私がおススメした香水は却下されてしまいました。ネットで加齢臭対策専用の消臭スプレーと、薬用の石けんを買ったそうです。ノネナールの発生原因になる皮脂や老廃物をすっきりと洗い流せるそうです。

消臭スプレーは、私たちが使うスプレーよりも桁が違うくらいに高く、加齢臭のしぶとさを感じました。以前に比べて随分臭いは減りましたが、やはりゼロにはならないようです。でも、本人が気にして努力をしているという姿をみれば、ヒソヒソ言う人もいなくなるでしょう。